2010年09月02日

エキサイティングcity大阪 5

エキサイティングcity大阪 5

今回の大阪滞在では、大好きな人達にたくさん会った。
貴重な時間を割いて、会ってくれることがとてもとても嬉しかった。

いっぱい喋って、いっぱい笑って、いっぱい歩いた。

日程が合わず、会えなかった友人もいたけど、
同じ空の下、元気でいてくれるだけで嬉しかった。

久しぶりの大阪は新鮮で、友人と喋りながら街を歩いているだけで、
いろんな発見があって楽しかった。

でも、ミナミやキタを歩いていると、人の多さに酔いそうになったし、
高い高いビルが立ち並んでいて、こちらに迫ってくるような、圧迫感に苦しくなった。

空気が上手く吸えなくて、空が恋しくて、空を見上げた。
四角く切り取られた小さな空を見ながら、「空って、見上げるんだな。」と思った。

宮古での暮らしの中では、目の前に空がある。
見上げなくても、視線の先に空があって、地面から雲が生えている。


「さて、帰りますか。」


大阪に帰る。宮古島に帰る。どちらも私にとっては、帰る場所。

だけど、いつの間にか、いや、もうずっと前から、私にとっての日常は宮古島で、
大阪は、非日常になっていた。

大阪は、楽しい。いろんな物がいっぱい溢れていて、美味しい食べ物もいっぱいある。
懐かしい。大好きな人たちもたくさんいる。

でも・・・

今の私にとっての暮らしの場は、宮古島だ。



飛行機に乗る。即効で眠りに入る。
宮古を離れる時はいつも、小さなくなっていく島を見たくて窓に頭を貼り付けているのに。

那覇に着いた時、空港に迎えにきて貰う友人にメールを送った。

「帰ったら宮古島温泉行きたいから、バスタオル持ってきといて。」

那覇から宮古島への機内では、ずっと空を見ていた。

私は空が大好きだ。

特に、飛行機から見下ろす空がとても好きで、
ジェットコースターなんかよりもずっと面白いと思っている。

雲の草原を見ていたら、機内から飛び出してジャンプしたくなる。

あの雲に、飛び乗れるんじゃないかといつも錯覚してしまう。ハイジみたいに。

「空に浮かびたいなぁ・・・」

そんなことをぼんやり考えていると、茶色くて、緑色で、平べったい島がみえてきた。

相変わらず綺麗な海。

飛行機がゆっくりと旋回する。
まるで、「ほら、どう、綺麗でしょ、この島。」と見せびらかすみたいに。

今日は、来間島の方から降りるみたいだなと思っていると、
島の緑に、小さな飛行機の影が映った。

その影がだんだん大きくなってきて、どーんと地面にぶつかった時、

「これは、温泉じゃないな。」と思った。

出迎えてくれた友人に、ただいまの挨拶もそこそこに「前浜連れてって。」とお願いした。

まだ、夕日が落ちるのに間に合う時間だ。

前浜の漁港では、子供たちが飛び込みをしている。

着いた瞬間、雨が降ってきた。

それでも構わず、サンダルを脱ぎ捨てて、砂浜へ降りる。

懐かしい砂の感触。雨が降っていても、前浜は美しい。

ぐるっと一回りしてみる。目の前に空がある。海から雲が生えている。


ワンピースのまま、海へ飛び込んだ。

海水がひんやりと気持ちいい。

海に浮かんで空を見上げた。

空が丸い。丸くて大きな空が広がっている。

「温泉じゃ、落としきれないと思って。」友人に言い訳をした。

「海入るなら、パイナガマでいいんじゃない?家の前にあるのに。」

「んー、こういう時は前浜じゃないとって思ってん。」

ほんの少し、ほんとにほんの少し海に浸かっただけだけど、
体がすっと楽になってつき物が落ちたような気がした。


雨が本格的に降ってきて、人がいなくなった前浜で一人、海に浮かんだ。
この海、独り占めだ。

体の中から、なにかがじんわりと溶け出していく。

自分の体と海との境界線がわからなくなる。

このままずっと浮かんでいたら、溶けてなくなって海に還って行くのかもしれない。



「ただいま、宮古島。今日からまたよろしくね。」


おわり。



私のとりとめのない長い文章にお付き合いくださり、ありがとうございます。
大阪滞在記、これにて終了です。

といっても、まだまだ大阪ネタ続きますよー。



同じカテゴリー(てぃんかの非日常)の記事
109プラン
109プラン(2020-02-13 00:25)

大神島
大神島(2019-12-12 11:22)

続・東京カフェ巡り
続・東京カフェ巡り(2016-12-10 22:52)


Posted by 天花 ~てぃんか~ at 22:55 │てぃんかの非日常
この記事へのコメント
こんにちは!
以前、お茶の愛飲者としてコメントしたモノです~。

大阪滞在記、とても楽しませてもらいました♪
バスの運転手さんに声をかけるかどうか・・・のあたりから、毎回楽しみになってしまって★
笑いのセンス、さすがです!もう、「血」が「DNA」が違うんだなぁって感心しています(笑)

最終回の今回は、まるで小説を読んでいるかのようでしたよ~!
そして最初の空の写真、ものすごく素敵ですね!
私も「空」は大好きです。
特に、空に浮かぶ雲。自然の美しさに感動すること、多々あります。
北海道の空もなかなか良いですが、宮古島の美しさ、いつか訪れてみたいな・・・。

ともあれ、これまでえがいていた天花さんのイメージがちょっぴり変わりました~(←もちろん良い方へです!)
Posted by テツ君ママ at 2010年09月03日 12:38
帰ってきたら、広ーい空や眩しい海に、ホッとして『ただいまぁ』
この瞬間ていつも、深く呼吸します\(^ー^)/

都会の街がどんだけ変わってていちいちびっくりしても、人は変わってない そこに安心感。
エスカレーターの位置を迷っても(笑)、『なんとかなる』ちゅー安心感があるのは、やっぱり自分が育った場所やからかなぁ(*^^*)

何より大好きな友達や家族が居てくれるし!(*^o^*)

宮古島も大阪にも、両方にね*
Posted by MISAKO at 2010年09月03日 17:21
*テツ君ママさん*

こんにちは~またまたのコメントありがとうございます。
嬉しいです☆

滞在記読んでいただいてありがとうございます。
テツ君ママさんも「空」好きなんですね^^
北海道の空もきれいなんでしょうね。私もいつか北海道に訪れてみたいです。

う・・・イメージ変わりましたか?
これでも抑え気味に書いたんですが・・・あぁ~お客様減っちゃったらどうしましょう~^^;
Posted by 天花 ~てぃんか~ at 2010年09月03日 18:20
*MISAKOさん*

うん、うん。深呼吸しますよね。
もうめーいっぱい吸っちゃう^^

そうですね。
やっぱり大阪は生まれ育ったとこやから、どんなに変わってても
なんか安心感ありますよね。

母と妹が元気でいてくれるから、こうして大阪にも帰れるわけやし。
感謝感謝です☆
Posted by 天花 ~てぃんか~ at 2010年09月03日 18:25